美月の日々の気持ち

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ブックマーカーなら知っておくべき鎌倉の5つの法則


街とともに。人とともに。 For More Communication 鎌倉

憂鬱 43話のネタバレ。

鎌倉別邸の暁人と桂木の続きです。

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『本音を言えば、2年は長すぎると思いました』

(“本音”って言った。嘘も裏もない桂木の本音…)

「桂木…もう一度言って。ずっと一緒にいたいって」

「あ…ちが…」

桂木に回した腕に力がこもる暁人にすこし迷惑そうに焦る桂木。

「なあ今日は二人で海に行かないか?」

(だから…そこまでは言っていないと…)

ぐいっと暁人を引き剥がし

「何のためのご隠居ですか。二年間この館に籠るようなお方が海に行くわけがないでしょう」

「……バレないよ」

暁人を無視して机に向かい、図面の整理を始める桂木。

(なんだよ急に
。もしかして照れてる?)

背中から服を引っ張り桂木を引き倒すとその肩に頭をのせる。

「暁人様…いい加減にしてください」

「桂木、お前って時々…」

「?何ですか」

(無自覚にすごいこと言うよな…って言いたいけど怒りそうだから言えない)

「暁人様…」

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「総一郎!!」

桐生伯爵家。見合いの間から退出した総一郎を、足音も荒く追いかけ怒鳴りつける石崎総右衛門。

「待たんか総一郎!!私はあの娘を認めんぞ!!こんな茶番に付き合っていられるか!!」

総一郎は立ち止まり向き直ると、激高する父に動じずに言い返す。

「…父上。桐生琴子さまはお上への上奏を経て正式に公卿の御家より桐生家の養女となられた御方です。今更手遅れです!この先は
父上の好きなようにはできません!!」

「総一郎…」

「この閨閥結婚を望んだのは父上でしょう。名門桐生家と姻戚関係になり、琴子さまの出自である公卿家ともつながりができた。これ以上何が欲しいのですか」

「出自?笑わせるな、あれのどこが公卿の出に見える。私の欲しいのは高貴な―――…」

「父上、それを知るのは桐生ご夫妻だけ―――ほかの者の琴子さまへの態度を見ればわかります。騒げば恥をかくのは父上だけです。もう多くを望むのはやめてください。俺は一代で成り上がった父上を誇りに思っているのですから!」

「……」

総右衛門は総一郎をにらみつけるが、いい返す言葉を失くし押し黙る。

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雨宮が、桐生家の別の間に控えていた石崎家の従者相手に上機嫌で話している。

鎌倉でのご静養の久世子爵ですか?それはもう!お元気すぎるほどで〜〜コホン、ではなく!やはり完治には最低でも2年は必要かと!肺の病は厄介ですからね!」

「二年とはまた…」

「まだお若くていらっしゃるのに…」

「いえいえ、久世家には桂木家の支えもありますからね。安泰ですよ。そしてこの先はさらに有能な――…」

「雨宮」

ふすまを開けて控えの間に総一郎が入ってくる。

「総一郎さま?!」

「話がある」

従者を父と共に石崎家に帰し、二人きりになる雨宮と総一郎。

「…よく私が桐生家に来ていると分かりましたね」